ホームAVION ツアー日記町田ボタン園と霜月亭のランチ

町田ボタン園と霜月亭のランチ

町田ボタン園と霜月亭のランチ

旅人:高城 英雄

 今年のボタンは4月28日(土)頃から見ごろとなったそうだ。ゴールデンウイークの後半は天候が悪く花持ちがどうかとても心配だった。

 好天に恵まれた5月8日、10時半頃町田ボタン園に着いた。ボタン祭りが済むと通常は入園無料となるが、今年は花持ちが良いせいか未だ有料であった。

 "立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花"と美人の形容として古くからボタンや芍薬はたとえられていました。さしずめ、花言葉で言い換えると立ち姿は清楚で、座っている姿は高貴な風格を醸し出している。そして歩く姿は清廉で気品に満ち溢れているとでもいうのであろうか。

芍薬

芍薬

  長寿楽

長寿楽



 民権の森の緑に囲まれた東京ドームより広い園内には、屋根を設えた幾つもの花床にボタンと芍薬が、盛りは少し過ぎていたがたくさん咲いていた。広い庭園の木陰には床机台が散在していて、疲れたら休めるようになっている。
 確か、昔来た時には地面に持参のシートを敷いて休んだり、食事をしたように記憶している。随分整備されたものだ。

ボタン園入り口

ボタン園入り口

  日除けの下の花床

日除けの下の花床

東屋と花床

東屋と花床

  ボタン園の花文字

ボタン園の花文字

床机のある木陰

床机のある木陰

 


 札書きによればボタンは樹木、芍薬は草でいずれも生薬として唐や宋の時代から中国で広く栽培されていたのだそうだ。日本にもたらされたのは、遣唐使(弘法大師など)によって持ち込まれ、薬用として栽培されてきたと書いてある。観賞用として育てられ始めたのはやはり朝廷や貴族がいた奈良時代からだったのであろうか。ヨーロッパやフランスへも持ち込まれて育てられ多くの品種が生まれた。それらの品種の幾つかが園内に咲きそろっていた。

 シンプルな花弁をつけているのはたいがい芍薬で、ボタンと見間違うほどの真紅の大輪もあった、名前はダイアナ。
 鮮やかな色のボタンの大輪にはそれぞれに名前が付けられていた。白いものには伯爵夫人、小町、白鳥の湖。黄色いものには王冠、白が基調でピンクがかったものはフランス産で金閣、ピンクには玉芙蓉、八千代椿。変わった深紅の花に烏羽玉(ウバタマ)、ゴーギャンなどがあった。
 スカーレット色の大輪はほとんど国産で今紫、新島の輝き、紫苑など。一つ一つ観察しながら歩いていると汗ばんできた。やはり五月の日差しは暖かさをこえている。一時間ばかりの時間はすぐ経ってしまった。
 ボタンや芍薬の花一つ一つは大きく自己主張しているような風格があるが、何処となく一人のような寂しさが漂っているようにも見えた。それは若しかしたら、花びらに勢いを感じないからかも知れない。実際皺紙を折り、幾重にも重ねたような桃山、金閣やダイアナはドレスを着た貴婦人のようだった。

芍薬

芍薬

  オリエンタルゴールド

オリエンタルゴールド

スカーレット

スカーレット

  烏羽玉

烏羽玉

王冠

王冠

  玉芙蓉

玉芙蓉

神姫

神姫

  今紫

今紫

スケッチする会員

スケッチする会員

 


 昼食はボタン園にほど近い霜月亭に予約してある。
 鬱蒼とした木々や竹林に囲まれた洋館の佇まいは成程、都会の隠れ家といわれても不思議ではない。車止めの向こうには小川が流れている。
 玄関で靴を脱ぎ、中に入るとメインダイニングと小部屋が二つと厨房が目に入る。木目も艶やかな床と白壁が落ち着いた雰囲気を醸し出している木造洋館である。

霜月亭

霜月亭

  霜月亭玄関

霜月亭玄関

霜月亭2

霜月亭2

  霜月亭内部

霜月亭内部

霜月亭二人だけの部屋

霜月亭二人だけの部屋

 


 木のテーブルは年代を感じさせる。間もなくして、飲み物の次に料理が運ばれてきた。フレンチだが和を感じさせる。お箸で食べるようになっていて、私たち年配者には好都合だ。ほとんどの方々はお肉料理だったが、とても柔らかくて美味しいく、私たち年配者向きに料理されているようだった。お喋りと料理であっという間に2時間ほど経ってしまった。まだまだ別れ難い雰囲気だったが名残惜しみながらお開きにした。

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