ホームAVION ツアー日記秩父芝桜と竹膳料理 レポート

秩父芝桜と竹膳料理 レポート

秩父芝桜と竹膳料理 レポート

4月22日に、ちょうど見ごろを迎えた秩父の「芝桜」を見に行ってまいりました。


数日来すっきりしないお天気が続いていましたが、今日は朝から快晴で、澄み切った青空の下、都心からもまだ白く雪をいただいた富士山を眺められるほどの好天に恵まれました。



芝桜

私達は、大型バスで一路秩父路を目指しました。ビル街から、住宅の建てこんだ郊外、そして畑や雑木林が増え始め、やがて荒川上流の秩父盆地入り口に差し掛かかるころは、車窓の右も左もようやく芽吹き始めた木々が新鮮な山々の衣となって目に映えました。

秩父随一の景勝地、長瀞(ながとろ)に近い宝登山(ほとさん)入り口の「有隣倶楽部」にて昼食でした。有隣とは論語の「徳不孤必有隣」(徳は孤にならず必ず隣有)にちなんだもので、もともとは昭和3年長瀞町上長瀞地内に建築された秩父鉄道の保養施設であったものを、昭和55年になって現在の場所に移築し、一般にも開放されたものです。関東大震災後の復興期に、秩父の石灰石とその輸送で活況を呈していた頃の建築であり、その風格ある建物もまた、素晴らしい日本庭園は、中国人の私に、日本の文化の高尚さを実感させてくれました。



有隣倶楽部のお庭

お食事は、お庭に面したお部屋で、名物の竹膳(たけぜん)料理をいただきました。このお料理の特徴は、陶器のお皿の代わりに竹を使ったもので、竹篭や竹を二つに裂いたところへ懐石風のお料理を盛り付け、目にも楽しいお料理でした。そしてちょうど旬ということもあり、揚げ物には竹の子もあったりして、季節感を感じさせてくれました。

午後からは、羊山の芝桜です。この芝桜を見るのは、実は初めてだったのですが、今月の始め頃から、ピンクのじゅうたんを敷き詰めたような芝桜の観光ポスターを都内の駅などで見かけたり、テレビで見たりして、「あぁ、私も本物が見れるんだぁ」と楽しみにしていました。そんな人は私だけではなく、たくさんいらっしゃったようで、羊山公園の駐車場には私たちのような大型バスが何台も来ており、乗用車もいっぱいでした。




羊山の芝桜

芝桜は、桜と同じにピンク色を想像していたのですが、ピンクだけではなく、白や紫などいくつもの色があり、おなじピンクでも、濃い色、薄い色とさまざまでした。案内を読んでみましたら、なんと12種類もの色があるそうです。そうした各色の芝桜を色ごとに羊山の斜面に植えてあり、その様子はまるで巨大な春色のパッチワークを見るかのようでした。周囲の山々のまだ淡い緑色と、この鮮やかな芝桜がお互いに映えて、私は「山が笑う」という言葉を思い出しました。確かこれは中国の郭煕四時山にある「春山淡冶而如笑」から来ていたものではなかったでしょうか。また、周囲の山々の中で、武甲山の容姿は、採掘で削られた石灰石の白い肌をむき出しにしていますが、それは私の故郷、中国の山を彷彿とさせました。

羊山の斜面に芝桜で植え分けられたデザインは、日本三大祭のひとつ、秩父夜祭(12月)に引き回される山車の上で囃子手が着込む紅白の襦袢模様をイメージしたものだそうです。色鮮やかな羊山の斜面が美しいだけではなく、躍動感があり、そしてまるで色が迫ってくるように感じられるのは、こうしたデザインによるものなのかと納得しました。

ページのトップへ

このページのトップへ ▲