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片貝の四尺玉花火見物

片貝の四尺玉花火見物

旅人:高城 英雄

片貝の四尺玉花火見物に出かけた

毎年9月9日と10日、曜日に関わりなく催される片貝の花火大会は、ギネスに登録された未だ見たこともない世界一の四尺玉が打ち上げられる。是非一度見たい欲望に駆られて1泊2日で出かけた。心配された天候は予報とは裏腹に晴れだった。

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猫が夜空に描かれた

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新潟市の花火

同じ新潟でも、新潟市の花火は8月第一日曜日、"港開き"という名前が付いている。信濃川の万代橋と八千代橋の間と昭和大橋西詰めの河原や川中で打ち上げられ、見物客は大小の舟に乗りながら見るのが常だ。舟に乗れない人々は対岸の河原やビルやマンションの屋上などに上がる。川面に映る花火は素晴らしい。最後を飾る大スターマインは空と川面が合体して、息を飲むような美しさと衝撃を与えてくれた。一番の見物場所、橋の上は立ち止まり禁止。かつて万代橋の欄干が見物人の重量で川に落ちたことがあるからだ。

片貝の花火は山間の丘陵地

しかしここ片貝の花火は違う。山間の丘で打ち上げられるのだ。なだらかな丘陵地に桟敷が造られ、見物客の多くは桟敷席を購入して見物する。私たちは40〜50分離れた六日町温泉に宿を取った。19時半から22時半まで3時間"浅原神社秋季例大祭花火"と銘打った花火は特異だ。打ち上げられる花火15,000発すべては個人や団体がスポンサーで、一つ一つに願いや報告或いは主張が込められている。
人口4,000人ばかりの町に20万人もの見物客が県内外から集まってくる。
片貝の町はごった返していた。あちらこちらで神輿をかつぐ担い手の声が響いている。屋台が神社に続く細い道の両側に出ていて、混雑した人ごみを縫って歩くのは大変だった。

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スポンサーはすべて個人と団体

追悼花火は「オジイチャ〜ン、空の上から見ていてね!私たち(名前が呼ばれる)は皆元気でいるよ・・子供たちも大きくなったよ〜有難う」などと拡声器で紹介され、尺玉が3発段打ちで山間にこだまする。爆音は夜空に大きく傘を開いた花火の後に響いてくる。
尺玉1ケ40,000円、結婚、還暦祝、家内安全、会社の宣伝といろいろな奉納者が、それぞれの喜びや願い、報告などを込めて、ここに集まった人々に訴えるかのように打ち上げる。その物語を聞いていると誰でもほのぼのとした気分にさせられる。時の経つのも忘れて、打ち上げと打ち上げの間に紹介される物語に耳を澄ます。打ち上げ方も様々で段打ち、対打ち、連発などで35連発の尺玉が打ち上げられた時などは、絶え間ない音と光の競演に酔い痺れた。
山間で打ち上げる花火は川面に映える花火と違って、炸裂音がこだましてずしんずしんと全身に伝わってくる。

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四尺玉製作の謂われ

片貝は四尺玉で名を馳せているが、打ち上げられるのは一晩1発だけ、二晩とも正22時のサイレンを合図に、轟音とともに天空に炸裂する。フィナーレを飾る訳ではない。直径120cm、重さ400kg以上もある大玉が、長さ5.2m、厚さ1.8cm、重量4.5トンの大筒から800m上空まで打ち上げられて直径800mの枝垂れ花火の傘を開かせる。
四尺玉が出来た謂われは、隣の日本一と呼ばれる長岡の花火と、互いに大きさを競い合った結果だと聞かされた。片貝が三尺三寸を作れば、長岡が三尺五寸玉に成功する。負けまいと片貝が1985年9月10日、四尺玉を作り、打ち上げに成功して長岡の先を越した。そして「世界最大の打ち上げ花火」として同日にギネスブックに登録されたのだそうだ。それ以上の大きさは打ち上げが危険ということで競争を終えて、片貝に軍配が上がったのだという。
なるほど、だから片貝の花火は曜日に関係なく、9月9日と10日の両日に亘って開催されるのだ。


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