ホームAVION ツアー日記チョベ国立公園(ボツワナ共和国)レポート

チョベ国立公園(ボツワナ共和国)レポート

チョベ国立公園(ボツワナ共和国)レポート

ボツワナ共和国へ足をのばそう

ビクトリアフォールズから西に45分ほど走ったところにボツワナとの国境がある。ザンビアの国境通過時の話は以前に書いたことがあったが、本当に良い感じはしなかった。しかしここは違う、カズングラの町にある入国管理事務所入り口付近にはいろいろな色の花が咲き揃い、建物自体が明るい上に、入国者が多いと手助けの管理官が事務所の奥から出てきて、にこにこてきぱきとスタンプを押し手続き処理してくれる。



チョベ・マリナロッジ

ガイドのジョージは私の印象に答えるように「ボツワナは豊かな国なんだよ、1966年9月に独立したんだけど、ラッキーなことに、その翌年ここより一寸南にあるオラピー(オラパ)でダイヤモンドが発見されたんですよ」「それがもし独立前だったらイギリスがなかなか手離さなかったかも知れないけどね」と話してくれた。

国境から10分ほど走ると、やがて今晩泊まるチョベ・マリナロッジが見えてきた。なんと入口正面は町中に面しているではないか。ここはカサネの町というのだそうだ。町は国道添いにあるが、この国にある唯一の森林地帯に包まれているのだと聞かされる。今まではサバンナの中とか自然保護区の低木林の中で泊まっていたので、サファリーゲームをやる雰囲気ではないなと思ってしまった。

ボツワナという国

ボツワナの国土は約60万km2で平均標高1000mの高原盆地になっている。


そしてこの国土の17%にあたる地域に動物達が住んでいる。国土の2/3は南回帰線の中にあって熱帯に属している、冬は6月から8月迄で気温は5°Cから 23°Cくらいで凌ぎやすい乾期である。国土の大半はカラハリ砂漠地帯に含まれ、北部にある湿地帯には多種の動物達や植物がある有名なオカバンゴやマカディカディがある。


人口170万人、GNPはアフリカ全体53ケ国の中で15番目である。首都はハボローネだそうだ。現在の大統領モハエさんは、第3代目でホテルの至る所に彼の肖像写真が掲げられてあった。町を歩く人達はこざっぱりとした服装でカラフルな色を纏っている。車はぴかぴかと新しい、断然トヨタが多く目に付く。

チョベ川のサファリゲーム


チョベ川の夕日

ロッジに入ってみると、ロッジはチョベ川に面していて数棟の建物のほとんどが川に面してテラスを広くとってある。室内はベッドルーム、リビングルーム、バスルームがあり、広々としている。

リバークルーズ・サファリーに出掛けた。船には椅子が船縁に置かれてあって客は互いにお見合いのかたちで座っている。船はゆっくりと川面をすべる。川の中央には広い中州状のようなものがあって「ナミビアと国境紛争の結果、国際機関の裁定によってボツワナに帰属した」と船頭兼ガイドが説明する。

象とカバの群れ


象・水遊び
トカゲ

象の群れが見えてきた、川縁の土手で盛んに木の葉を食べている。その先には半分水に浸かって水浴びをしている象が見える。カバがいた、これもたくさんいる。ほとんどのカバはからだ半分水の中で背中をみせている。

その背中に白い小鳥が止まっていた。ワニ千鳥と似ている、きっとカバの身体にたかっている虫や蠅を食べるのかもしれない。「カバは皮膚がデリケートなので日中はほとんど水の中で、夜、陸に上がり一晩150kgほどの草を食べるのです、行動範囲はだいたい決まっていて、驚いたりしたらすぐ水に戻れる距離にいるのです」という。

川鵜やグランドホーンビル(ワシのような鋭いくちばしを持った鳥だが首が白い・三色ワシ)が川から突き出た木の枝に止まっている。 大きなトカゲがいた。丁度木に登って行くところだった。数艘の船が廻りをかこんでいて皆興奮しながら写真を撮っている。

鰐だ、鰐が日なたぼっこしている!


鰐が泳いでいる、その近くの水に浮かんだ草地に別の鰐が口を開けて日なたぼっこをしている。

体温が上がるとまた、水に入るのだそうだ。胃の中には小石が詰まっていて丸飲みした食べ物を咀嚼する役割をもっているとも云っていた。
中学生のころ生物の時間にそのような話を先生から聞いた記憶がある。

あの中州に寄り添うように出来ている干潟にはバッファローの群れが遊んでいた。船はゆっくりと舳先をやって来た方向に回した、どうやら終わりのようである。岸辺にはインパラやバブーンの群れが見え隠れしている。皆は今では、それらに視線を送るだけで、もう興味を示さない。
これで約3時間のサファリゲームは終わった、でも中身は随分濃いものであった。明朝の陸のサファリーが楽しみになってきた。

朝6時は未だ肌寒い

5時に起床して身支度をした。昨年5月サビ・サビを訪れた時は、朝晩サファリーカーに乗った時寒くて備え付けの毛布を使ったが今日はどうだろう。一応重ね着をしたがこれで足りるか少々不安だ。だいたい今回来る際に貰った持ち物案内には薄物ばかりで良いと書かれていたので適当な着る物を持ってこなかった。
案の定、天蓋の無い車が風を切って走りだすと寒い、10分ばかり走って自然動物保護区の入口に到着した。引率しくれている安東さんが自信たっぷりに「今朝はライオンを群れで見れるぞ」と云う。暫く走ったがなかなか動物達には会えない。

バブーンが騒いでいる、ライオンがいるぞ!

雨あがりの早朝では駄目かな、ライオンは駄目かなと不安が横切った。安東さんも自信がなくなったのか、無口になっている。さらにレンジャーが車を走らせてゆくと、突然「バブーンが騒いでいる、ライオンが近くにいるぞ」と叫ぶではないか。



ライオン

皆緊張してあたりを見回した、レンジャーの指す方向を見ると、チョベ川に添って生えている低木の林から姿を現したライオンが3頭ばかりいるではないか。皆歓声をあげる、安堵の色が安東さんの顔にも浮かんでいる。するとその中の1頭が突然、木に登って滑り落ちた。
仲間の一人が「わー、木登りライオンだ。以前は木登りライオンをよく見かけることが出来たと先輩達が云っていたけど、本当に見れて良かった」と興奮げに声を発した。驚いたことには、ライオンが後から後から出てくるではないか。

ライオン13頭の群れ


ライオンの群れ

レンジャーが「13頭は必ずいるよ」と云う。群れは木の葉に見え隠れしながらこちらの方に向かって来た。やがて車の前を一頭の大きなライオンが横切った。それを合図に次々とライオンたちが現れた。なるほど13頭だ、子供のライオンが数頭混じっている。子供を除いたすべて大きなライオンはメスばっかりだそうだ。
どうしてレンジャーは13頭と自信たっぷりに云ったのであろうか、だいたい一つの群れを「プライド」と呼ぶのだそうだが、それは通常雌2頭と子供4頭からなっているそうだ、今回は大きなライオンが頭となっていたが、それが老雌でその他二つのプライドがいたと判断したのだろう。

これらの南アフリカライオンはトランスバールライオンかその亜種だそうで、その昔は大型のケープライオンがもう一種類いたそうだが、今は絶滅してしまって見ることは出来ないそうだ。 良かった、本当に良かった。こんなにたくさん間近に見ることが出来て目的を果たせた満足感に皆浸ることができた。

見所は他にもある

今回の1泊2日チョベの旅はこうして終わったが、もう1日多く泊まりたかった素晴らしいロッジの設備を味わうことが出来なかった。そしてボツワナにはもっとたくさん夢の見所がある。
前述した「オカバンゴ」や「マカディカディ」の湿地帯、「カラハリ砂漠」へのエコツアーだ。日数をたっぷりとって少なくとも、5泊6日くらいで動植物や自然観察をしてみたいものである。
真っ青な空の下で、時間が止まっているような悠久の大自然に身をおいて心の洗濯をしたいものだ。

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